「徳」と色の関係

「あの人は、人徳がある」

 

という表現、日常的にもよく使われますよね。
主には、いわゆる「人間的によくできた人」に使われる表現です。

 

では、「徳」とは何なのか?「人徳」とはなんなのか?
まずは辞書でその意味を確認しておきましょう。

 

 

@ 心が正しくて、行いが人の道に合っていること。
A 心の立派な能力。美徳。
B 相手を心から従わせる人格。
C 人に好意を持たれるいい性質。
D 恵み。恩恵。

 

人徳

 

その人に備わっている徳

 

 

わかったような、わからないような・・・?
ざっくりとまとめると、

 

人徳のある人=人から好意を持たれたり、尊敬される価値のある人

 

というところでしょうか。

 

今の世の中でも社会や組織で成功するには「徳」が必要ですが、
西暦603年の時点ではそれが今よりも顕著だったようで。

 

かの聖徳太子が定めたシステムに「冠位十二階」がありますが、
これは個人の才能に応じて人を12の位に分けたもの。
それぞれの位ごとに冠の色が決まっていたので
このようなネーミングになっていますが、
最も位が高いのは「徳のある人」でカラーは紫色。

 

以下、仁、礼、信、義、智の順になっていて、
色はそれぞれ、青、赤、黄、白、黒を定められていたんです。

 

  • 仁・・・思いやり
  • 礼・・・礼儀
  • 信・・・信用
  • 義・・・義理
  • 智・・・知識

 

つまり、聖徳太子的には、

 

 

「知識がある人よりも、人の守るべき義理を備えている人のほうが偉い。
義理を備えている人よりも、約束を守る人が偉い。
約束を守る人よりも礼儀正しい人が偉い。
礼儀正しい人よりも思いやりのある人が偉い。
さらに、徳のある人は別格だ!」


 

と考えていたということですよね。

 

今から1400年も前の時代ですが、
人の本質をよくわかってらっしゃる!
子育てにも役立ちそうな、深い教えです。

あなたは何色の冠を被っている人?

実は上記の「色」は、四柱推命のベースにある
五行十干にも割り当てられています。

 

★木
甲・・・ブルー
乙・・・ライトブルー

 

★火
丙・・・レッド
丁・・・オレンジ

 

★土
戊・・・イエロー
己・・・ブラウン

 

★金
庚・・・ホワイト
辛・・・アイボリー

 

★水
壬・・・ブラック
癸・・・グリーン

 

命式で「木」が多い方は、聖徳太子の時代でいうと
青い冠を被っているようなイメージ。
職業的には「人のために行動する仕事」、
「スピードを要する仕事」に適性があります。
(木は形を変えて人の生活に役立つため)

 

一方、赤は「火」の色。
「火」の気が多い人は華やかで女性的。
職業もそのような性質をの仕事に適性があり、
美容やアート関係の才能に恵まれている方が多いです。

 

また、火には「物事を明らかにする」という性質もあるため、
弁護士として活躍する方も多いようですよ。

自分のカラーを生かした人生を楽しもう!

続いて黄色は「土」の色。
土の気が多い人は、人の土台を支えるような仕事、
いわゆる「縁の下の力持ち」的な仕事に適性があるようです。

 

清掃、ごみ処理、葬儀、病院関係、僧侶、工場ワーク・・・等々、
肉体的・精神的にキツイ仕事も淡々とこなします。

 

人の足元を支えるという意味では政治家も「土」の仕事。
もっとも、今の政治家は・・・、
「信」を備えているとは思えない人もいますけどね。
そのような意味では、自らにふさわしくない冠を被っているのかもしれません。

 

続く白は「金」の色。
金の気を持つ人はプライドが高く、
そのままズバリ「お金」に関わる仕事が向いています。

 

また、美的感性が豊かで先見の明がある方も多いので、
時代の最先端を行く仕事に就けば
その能力を存分に発揮することができるでしょう。

 

例えば、2018年現在ならAI関係、IT関連の技術職などがピッタリですね。

 

最後の黒は「水」です。
水の気を持つ人は、あらゆるものを溶かし込んでいく水のように
どんな状況にも自分を合わせられる柔軟性が強み!
サービス業や看護師、秘書、教師、アドバイザー、コンサルタントなど
相手に合わせて自分を変えていくような仕事に適性があります。

 

このように、私たちは誰もが「見えない冠」を身に着け、
知らず知らずの間にその冠に合った仕事を選んでいるのです。
そのような意味では、聖徳太子の時代と
さほど大きな変わりはないのかもしれません。

 

ただ、1400年前と違ってちょっと難しいのは、
自分にあった道を自ら切り拓いていかなければいけないということです。
もし自分が青い冠を被って生まれてきたのだとしても、
本人が強く望めば赤い冠を被って生きることもできてしまうわけで。

 

誰かが決めてくれるわけではなく、
自分で自分の冠の色を決められる時代。
それは、本来持っている才能とは
違ったものを求められる場所で生きることでもありますので、
実はとても苦しい時代。そんな中にあっても、
自分が持って生まれた本来の冠の色を知っていれば、
能力の生かし方や人間関係のパターンで気を付けるべき点などは
自ずと見えてくるはずです。

 

四柱推命は、言ってみればその「正しい冠の色」を教えてくれるツール。
「たかが占い」と思われる方もいるかもしれませんが、
自分という人間の本質を知り、
それをどう生かしていけばもっと幸せになれるのか?
うまく活用すれば、苦しい日々をもう少し力を抜いてラクに、
楽しく過ごすことができるかもしれませんよ。