「通変星(つうへんせい)」とは?

格局とは何かでも解説した通り、
「格局」とはその人の価値観を表すものです。

 

価値観が違えば、どんな仕事にやりがいを感じるか、
「仕事観」も違ってくるはず。
職業の適性も違います。

 

この「適性」を見る上で参考になるのが、
「通変星(つうへんせい)」というもの。
これは、日干と他の干(年干、月干、時干)がどんな関係にあるかを
表すもので、全部で10種類あります。

 

 

★比肩(ひけん)
日干と同質で、陰陽が同じ。

 

★劫財(ごうざい)
日干と同質で、陰陽が違う。

 

★食神(しょくじん)
日干が生じるもので、陰陽が同じ。

 

★傷官(しょうかん)
日干が生じるもので、陰陽が違う。

 

★偏財(へんざい)
日干が剋するもので、陰陽が同じ。

 

★正財(せいざい)
日干が剋するもので、陰陽が違う。

 

★偏官(しょうかん)
日干を剋するもので、陰陽が同じ。

 

★正官(せいかん)
日干を剋するもので、陰陽が違う。

 

★偏印(へんいん)
日干を生じるもので、陰陽が同じ。

 

★印綬(いんじゅ)
日干を生じるもので、陰陽が違う。

 

 

ここでいう、「生じる」とは「相生」の関係にあるもの、
「剋する」とは、「相克」の関係を意味します。
下の図でおさらいしましょう!

 

 

 

 

 

通変星はどうやって求めるの?

では、試しに天干の通変星を求めてみましょう。

 

例えば、私は日干が「戊」。
ですから、下記の「通変星早見表」の横軸で
「戊」のところを見ます。
さらに、年干も「戊」なので、今度は縦軸で「戊」を見ます。

 

そして、横軸と縦軸が交差している欄を見ると、
「比肩」と書かれていますよね。
ですから、私の年干の通変星は「比肩」ということになります。

 

月干、時干についても同じように通変星を求めてみましょう。

 

地支の通変星も求めてみよう

さらに、地支の通支星も求めていきます。

 

地支には、それぞれ2〜3個の「蔵干(ぞうかん)」があります。
これは、簡単に言うと地支に内蔵された十干のこと。

 

同じ地支であっても節入り日からの日数によって蔵干は異なります。
そのため、「余気」「中気」「本気」に分けられています。

 

・余気・・・節入り日からの日数が短い
・本気・・・節入り日からの日数が長い
・中気・・・余気と本気の中間

 

下の「蔵干早見表」で調べると、
簡単にそれぞれの地支の蔵干を知ることができますよ。
まずはこれを調べて命式の空欄を埋めていきましょう。

 

 

 

 

完成した命式と、「通変星早見表」を使って、
それぞれの蔵干の通変星を求めていきます。
先ほどと同じように、横軸は日干、縦軸は地支の蔵干です。
両者が交わったところに書かれてあるのが、地支の通変星です。

 

本気、中気、余気の全てについて求めて記入していきましょう。

 

※ここで完成した命式は、
自分の格局を求めてみようA〜格局の取り方〜で使います。

通変星で見る適性

どうでしょうか?
「年」「月」「時」「地支」それぞれの通変星は埋められましたか?

 

ここでは、職業的な適性を表す「月」の通変星に注目してみましょう。
通変星ではその人の社会的な立場、
仕事への向き合い方などもわかりますので、
どんな仕事に就いてどんな働き方をすれば生き生きと人生を送れるのか
そのヒントが得られるはずです!

 

 

比肩(ひけん)

負けず嫌いで、自立心旺盛。
ライバルと競争することでモチベーションを上げていくことができます。

 

ただ、協調性はないのでサラリーマン生活はストレスが溜まるでしょう。
自営業、フリーランスなど、才能を活かして“一人で”できる仕事に向いています。

 

 

劫財(ごうざい)

交際範囲が広く、遊び好き。やや金使いが荒いところがあります。
コツコツと努力を積み重ねて成功するというよりは、
一発勝負の賭けに出て成功を掴むタイプ。

 

安定よりも刺激的な生活を好むため、
普通のサラリーマン生活は物足りないかもしれません。
投資家、政治家、タレント、水商売などに適性があります。

 

 

食神(しょくじん)

社交的で、人間関係におけるバランス感覚に優れた人気者。
食に関すること、人の生活を支える衣食住に関することに運があるので、
食品関係や生活必需品を扱う仕事に適性があります。

 

スーパー、百貨店、家電量販店など、販売全般。
金運に恵まれていて、生涯、お金に困らない人でもあります!

 

 

傷官(しょうかん)

正義感、プライドが共に高く、権威に楯突くタイプ。
会社勤めには不向きですし、
サラリーマンをやっても出世は望めないでしょう。

 

人のあら探し、トラブルの発見・処理が得意なので、
法律関係やマスコミ、警察などの職業に適性があります。

 

 

偏財(へんざい)

強い金運の持ち主で、お金に関することならなんでもお任せあれ!の商売人。
世話好きの駆け引き上手なので、
サービス業全般、そして営業職にも適性があります。

 

広告業や外交関係の仕事で活躍している方も多いですよ。

 

 

正財(せいざい)

地味にコツコツと努力を積み重ねることができる人。
単調なルーチンワークも厭わず、
蓄財の才にも恵まれています。

 

製造業、不動産、資産運用、金融関係、公務員、栽培などに適性があります。

 

 

偏官(しょうかん)

バリバリ働きます!
ただ、自発的に・・・というよりはいいように使われている人も。
割に合わない仕事でも一生懸命に取り組みますので、会社員向き。
上司にかわいがられて出世するタイプです。

 

会社員(特に中間管理職)、公務員、介護職、に適性があります。

 

 

正官(せいかん)

天性のリーダー気質で、出世が早い人。
人に命令する仕事、権威によって人を従わせる仕事に適性があります。
(ちょっと嫌な言い方ですけどね・・・)

 

社長業、名誉職、公務員などに適性があります。

 

 

偏印(へんいん)

趣味や「得意」を収入に結びつけることができる器用な人。
インスピレーションが鋭く、ヒラメキが多い!

 

エンジニア、アーティスティックな仕事で活躍する方が多いですね。

 

 

印綬(いんじゅ)

学問、技術、芸術において特別な才能に恵まれる人。
知的な仕事、人に教える仕事に適性があります。

 

教師、学者、名誉職、技術者、特定の分野のスペシャリストなど。

 

 

 

ちなみに、四柱推命においては
お金=財星、 仕事=官星 と考えます。

 

お金は相手をやっつけて奪い取るもの。
仕事は、相手にやられてエネルギーを奪われるもの
という考え方が根本にあり、
女性にとっては夫も上司も「官星」。
自分に命令して、自分からエネルギーを奪い取る
という意味ではどちらも同じ扱いなんです。

 

家事と仕事の両立はいつの時代も女性にとって
頭の痛いテーマですが、
所詮、家庭も会社も自分からエネルギーを奪う「官星」。
どこにいっても敵だらけ!というわけです。